入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.49
アイエスディ山根 代表
山根 和則さん
【カタログ・WEBサイトの企画制作情報処理、クロスメディア、印刷】

強みは、カタログなどページ数の多い編集物
各種印刷物とWEBサイトの企画・デザイン制作・データ処理まで、幅広く手掛ける山根さん。
カタログ・ポスター・会社案内のほか、オンラインショップの構築、WEBコンテンツの企画提案、情報処理に長年の実績がある。
得意とするのは、膨大なページ数にのぼる編集物の制作。
某大手流通企業のカタログは、任されて20年になる。

28歳で独立。58歳で二度目の起業。
アイエスディの創業は2009年。
しかし実は、山根さんにとってこれは2度目の起業。
最初の起業は1980年、28歳の時だった。広島で生まれ育ち、東京の大学に進んだ後、
「文字に関わる仕事がしたい」
と、山根さんが選んだのは、写植(※)の仕事だった。26歳で写植会社に入り、結婚を機に28歳で独立。当時300万円もした写植機を購入し、住居兼オフィスで開業した。
バブルの頃。景気は良く、仕事はどんどん入ってくる。
何の心配も無かった。
しかし、子どもが出来て思ったという。
「子育ては、山の見えるところでしたい」
広島に戻り、新天地で写植の仕事を続けた。
※写植=写真植字の略。写真の原理を用いて印刷用の版をつくる方法で、デジタル化の前は、この版を使って文字を印刷していた

1990年代、時代は変わった。
版はデジタル化され、写植の需要は減るばかり。
山根さんは、先を読んで取引先の企画制作会社に転職。もともとやっていたパソコンの知識を生かして、Macの機種選びやデータ処理の技術指導など、パソコン導入を先導した。
社員として10年余。多くの出会いがあったが、お世話になった社長の逝去を機に、2009年に独立。仲間と共同で部屋を借りてスタートして1年を経た頃、知人の紹介でSO@Rビジネスポートに入居。3年後にはスタッフを雇って5坪の個室に移動し、入居以来はや10年になる。
平和と人権を守る活動にも関わり、趣味は、自転車と本。
山根さんがビジネス以外で関わっている活動は、幅広い。
毎年8月6日の原爆の日にゲストを招いて平和講演や歌のイベントなどを開催する「8・6ヒロシマ平和の夕べ」は、スタッフとして関わって4年。
子どもが保育園に通っていた時知り合った「子育てサークル『たけのこ文庫』」の仲間達とは今も交流を続けている。
広島の「フリースクール」にも関わり、イベントのチラシの制作も担当した。
趣味は、自転車。
20歳代には、輪行(りんこう:鉄道、船、飛行機、バスなど公共交通機関を利用して自転車を運ぶこと)で、北海道や東北、沖縄などをサイクリングして周った。東京から広島まで日本海側経由で帰省したこともある。
60歳代の今も、自宅からSO@Rビジネスポート間(約6キロ)を自転車で往復している。
「スピードメーターで体調管理しています」
体型もスリム。仕事を任せて頂いている以上、自己管理は欠かさない。

文字が好きだという山根さんらしく、本も、好き。
アフガニスタンで銃撃され、73歳で亡くなった非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の医師 中村哲さんの著書は、数年前から愛読。社会関係のものを好んでよく読むという。
仕事のビジョンは(敢えて)無い。それを持つことで
「しばられたくない」
と言う。
「仕事以外での人の繋がりが大事」
仕事外での活動ではお互いの距離が縮まって、“一人の個人”として接することができる。
「そこで信頼できる人と出会い、学ぶことも多い」
と、山根さん。

インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴