入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.51
合同会社和ごころ
代表 山田 泰聖さん
【正常分子栄養学講座・食改善カウンセリング】

薬に頼らず、食事を見直す。
出身は、山口県。
福岡の薬科大学を卒業後、薬剤師として山口の国立病院に勤務。
結婚後、生後6か月の息子の食物アレルギーをきっかけに、食事療法に目覚めたという山田さん。自身も高血圧、高脂血症、糖尿病の予備軍という状況が現れた40代の頃、食を改善して解決。体重も80㎏から25㎏減を成功させた。
妻は、看護師。夜勤をしていると、アレルギーで子どもが搬送されてくることは、たびたびだった。
「自分の子どもは、そうならないように」
そう思ったが、薬は症状を抑えることはできるものの、アレルギーの根本治療にはならない。
食事で治すという先生を訪ねてみると、
「生まれた子どもがアレルギーである理由は、お腹の中にいた時の、お母さんの食べ物が原因」
と諭された。
以来、親子で食事療法に取り組み、薬をほとんど使わず8年間かけて食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息を治した。
アレルゲンである小麦、卵、牛乳、大豆、肉は食べられない息子に合わせ、当時の食卓には魚と、野菜はさつま芋・ジャガイモ・かぼちゃ・里芋がローテーションで並んだという。
「何を食べるかの大切さを、身をもって知った」
と、山田さん。

創業時が大変というのは想定内。これからが楽しみ。
20年余、仕事を続けながらボランティアで、食事療法による自身の経験を、セミナー等で伝えてきた。
小児科にはアレルギーに悩む患者さんがたくさんいるが、薬剤師の仕事は、薬を調合して渡すこと。
「薬に頼らず、食の改善による解決方法を知りながら、薬剤師の仕事を続けるのは辛かった」
と、山田さん。
ある時は、重度の糖尿病の患者さんが、薬局を訪ねて来て、
「(これまでいくら薬を飲んでも治らなかった)いくらでも出すから、本当に治る薬を出してくれ」
と言われたこともあるという。
そこでは答えられなかったが、
病気の元を正す食改善を伝えるカウンセリング事業を、
「いつスタートさせよう」
と、タイミングを計っていた。
2016年、妻の転職を機に、15年間暮らした島根から広島に移り住み、以来、異業種交流会にも積極的に参加し人脈を築いてきた。
そして2019年12月、満を持して薬局を退職。
SO@Rビジネスポートに入居し、2020年1月に創業した。
創業から半年の今はまだ大変だが、起業するからにはそれは想定内。あたりまえのことと捉え、
「これからどうやって結果を出そうか、楽しみ」
と、前向き。

健康は、守る時代から創る時代へ。
現在のクライアントは、ダイエット目的のかたが殆ど。
ダイエットには食事の改善が必要だが、山田さんの方からこうしなさい、ということは一切言わないのだという。
毎日の食事内容へのアドバイスをすると同時に、体重とボディのサイズを記録してもらうことで、目標とする姿に近づくのをクライアント自身が実感。
「本人が、自身の体質の変化に気づき、変わっていく」
と、山田さん。
生活の中からアイスは外せないと言っていたクライアントも、試してみて成果が見えると、
「もうアイスは食べない、この食事習慣をずっと続ける」
と、自ら宣言するのだとか。
「これまで30名のダイエットを成功させ、リバウンドもない」
と、山田さん。
最近は、自然栽培の米、味噌、酢などをつくる知人らと提携し、食材の販売も始めた。
“You are what you eat!!”(あなたはあなたが食べたものから作られている)とはロジャー・ウイリアムス博士の言葉。
「健康は、守る時代から、創る時代へと変わってきている」
と、山田さん。

子どもたちの未来のために。
小・中・高校時代、部活は剣道やバトミントンなどいろいろやったが、趣味でずっとマラソンをしていたという山田さん。
現在のスリムな体型には、きっと運動も関係しているに違いないと思ったが、なんと、スポーツは全くせず食事改善だけで減量、維持しているのだという。
そんな山田さんの趣味は、
「仕事を楽しむこと」
“いつまでも健康で元気に”をテーマに、病気になりにくい身体創りを伝え、子どもたちの未来を明るくさせたい。
「世の中から生活習慣病を無くすため、1億3千万人にその方法を伝えるのが目標!」
と、意気込む。
インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴