入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.61
絵描屋 イラストレーター
池田 奈鳳子さん
【イラスト・マンガ・似顔絵】

好きなことをして、楽しく生きる。
岡山県倉敷市出身。
母は、”子どもが一番”の専業主婦だった。
「絵ばかり描いて、目の前のやかんが、プシューっと音を立てて吹きこぼれるのにも気づかない子だった」
と、目を細め当時を語る母に、今でも優しく見守られ、支えられている。
思春期の頃には、
「世界ってどうなってるんだ? 平和って?」
と、世界史に興味を持ち、NGOや国連に憧れて、大学に進学。国際政治学科を学んだという池田さん。
20歳の時には、大学の休暇を利用してインドに渡り、マザーテレサの施設でボランティアも経験した。英語も通じない環境の中、孤児院やホスピス「死を待つ人の家」で、絵を描いたら喜んでもらえたことは、深く心に残っている。

なんとなく生きられる日本での生活と、全く違う、インド。
ある日、道に迷ってしまい、携帯電話も無く地図だけを頼りにどうにか無事に帰ることができた時には、
「生きてる!」「生きてるんだ!」
と実感した。
そして、
「好きなことをして、楽しく生きよう」
と、決めたのだという。
「仕事が全て」と、バリバリ頑張った10年間。
大学では、”就職するのがあたりまえ”とされることが、腑に落ちなかった。
卒業後、描きためたマンガを、起業家の交流会で大人たちに見てもらったのをきっかけに制作会社に弟子入り。その後、イラストレーターとして独立したが、手応えを感じ始めたのは、独立後2~3年経ってから。
以来、
「趣味は仕事」
と、仕事が全ての生活を送った。
企業の販促ツールに入れるマンガやイラスト、イラストマップ等の制作のほか、宮島でしゃもじに似顔絵を描く仕事など、イラストに関わる仕事には、何にでも挑戦した。
また、ソアラサービスとは、世界へ届ける広島発PeaceブランドEARTH Hiroshimaのトートバッグなどでコラボしている。

イラストレーターとして自立した生活を送ることが叶い、
結婚する気は、全く、無かった・・・
が、仕事で出逢った男性との出逢いが、気持ちに変化を与え、まさかの結婚。
子どもにも恵まれ、出産1か月後には仕事を再開し、半年後には、SO@Rビジネスポートに入居を決め、公私を線引きして、好きな仕事を続けている。

マンガやイラストで人を幸せに。そして、自分も楽しく。
現在、息子は2歳半。
結婚・出産、そしてコロナ禍を経験し、なんだか、以前のように
「モチベーションが上がらないのが、ショック」
なのだという。
大企業の社員100名分の似顔絵の制作や、大手菓子メーカーのパッケージ制作、建設会社のパンレットのイラストなど数多く手掛け、仕事は順調そうに見えるが、本人はそんなことないと言う。
「地の時代から、風の時代に変わった」
と、池田さん。
物質から愛へ。物に執着せず、見えないものを大切にする時代に変わりゆく今、
「次は、どうなるんだろう?」
と、未来に向けてキーワードを集めているところ。
愛読書は、「生きて死ぬ智慧 心訳 般若心経」。生命科学者である柳澤桂子さんが、科学的な観点からの考察もまじえて書かれた、般若心経の“心訳”である。
成功することよりも楽しく生きるため、手始めに、
「自分発信で、やっていこう」
と、インスタグラムで、子育てマンガの連載を始めた。
子どもの居る人も居ない人も、フリーランスのリアルな生活を垣間見て、笑って、泣けるマンガ。
これをいつか書籍化しようと考えている。
「似顔絵やイラストで、人を幸せに。
そして、自分も楽しく」
池田さんの純粋な思いは、多くの人に届くに違いない。

インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴
掲載日:2022年2月2日
~ 池田さんへの取材後インタビュー ~