入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.62
フルオブライフ
吉田 裕美さん
【家庭教師・家庭教師派遣、オンラインでのカウンセリング、受験や学習についての講演・セミナー】

合格につなぐ家庭教師「TSUNAGU(ツナグ)」。
両親は商売人で、小学生から通った塾は、子守のような存在だったという吉田さん。
愛媛で生まれ、移住して3歳まで兵庫。その後はずっと広島在住。
大学時代に、家庭教師派遣の大手でアルバイトし、楽しくて、そのまま家庭教師として働いて5年。転職し、塾講師としての9年間は、いわゆる”ザ・受験”の指導をした。
実は、自身が行きたい大学へ入れなかった経験から、
「行きたい大学へどうすれば入れるのかを、教えたかった」
という。
塾という組織の中でその手法を学び、中学・高校・大学受験の過去問を研究したり、教え方のスキルアップなどし、実績を積んだ。
2017年に独立し、「フルオブライフ」を設立。
合格につなぐ家庭教師「TSUNAGU(ツナグ)」をスタートした。

中学・高校・大学受験対策のほか、発達・不登校対策も。
屋号である「フルオブライフ」は、”充実した人生・生活”の意。
「TSUNAGU(ツナグ)」では、中学・高校・大学受験対策はもちろん、発達・不登校対策にも重きを置いているのが特徴だ。
「その子その子に違いがあってあたりまえ。本人が満足できればそれでよい」
と、吉田さん。
実は「TSUNAGU(ツナグ)」に所属する家庭教師は全員、カウンセラーの資格を持っている。基本的に”叱る指導”はしない。
例えば、宿題をやって来ない子がいたら、叱るのではなく、
「できる方法は何だと思う?」
と問い、本人に考えさせる。モヤモヤしているような時は、
「どうしてか、自分の気持ちを考えてごらん」
と、相手の気持ちを考えるように”自分の気持ちを考える”よう促して、解決に導くという。

独立のきっかけは、教え子がDVを受けていたこと。
派遣で家庭教師をしていた頃、多様な生徒を担当した。
海外の高校へ進学する子もいれば、(高卒認定を取って)中学から大学へ行く子もいた。不登校で学校の先生にも会えない子が、なぜか吉田さんとはうまくいったという。
いつか高校へ行きたいという思いはあるが諦めている子も、吉田さんが関わることでモチベーションが上がったりして、やりがいを感じた。
塾に勤務してからも、過去に家庭教師をした教え子が訪ねて来て、合格の報告などしてくれることは少なくなかった。
その一人から、
「実は、当時、父親からDVを受けていたのだけど、先生が家庭教師に来てくれていたから、乗り越えられた」
と打ち明けられたという。
彼女のその言葉が、独立のきっかけになった。
「悩んだ時に、心の支えになれれば・・・」
と、吉田さん。

多様な子どもたちの”目標”を支援したい。
独立以来、口コミでジワジワと広がり、事業は軌道に乗った。
2121年夏には、コロナ禍で訪問できないのを機に、オンラインによる家庭教師サービス「TSUNAGU Air」もスタートした。
メールによる、保護者へのカウンセリングも行っている。
信頼できる家庭教師たちも所属。今月新たに迎えるのは、塾の教え子だった男性で、「フルオブライフ」の理念に共感し、大手の塾から転職してきたのだという。
アルバイト、フルタイム、隔週でのパートタイム、リモートなど、
「先生の働き方は、柔軟であっていい」
また、
「芸術分野など、バラエティに富んだ先生に集まって欲しい」
と、吉田さん。
「将来は、中学や高校に行けない子たちが、高卒認定を受けて、
大学へ行くクラスを作りたい」
そして、
「経済的など何らかの事情で施設にいる子たちを、招待したい」
過去には、統合失調症で小学5年生から学校に行けなかった子がプロアスリートを目指したケースがあった。障害のある子が作業所で働くという目標を持って、高卒認定に向け頑張ったケースもある。
個性を大切に、一人ひとりに寄り添った「フルオブライフ」の事業活動は、今後、益々社会に必要とされるものと思われる。
インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴
掲載日:2022年4月19日
~ 吉田さんへの取材後インタビュー ~