入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.43
キャリアフォーカス 代表
棚多 里美さん
【研修講師:女性活躍推進・アンガーマネジメント・ハラスメント防止】
女性が人生を自分で決め、能力発揮できるように。
広島県職員として、児童相談所、女性労働者対策、子育て支援、地域ケア部長、働く女性・子育て支援部長を経て、2014年から(公財)広島県男女共同参画財団 常務理事に。そして2019年4月、
「女性が夢や希望をあきらめない社会にしたい。
女性が自分の人生を自分で決めて能力発揮してほしい」
という思いを胸に、独立した。
財団在職中は、企業や自治体からの依頼で、女性の活躍推進に関する講演や研修講師を年間130件もこなしてきた。
キャリアコンサルタントやワークライフバランスコンサルタント、社会福祉士等の資格のほか、全国でもまだ珍しい、アンガーマネジメントに関する資格も多数取得。
男性とは異なる女性育成のコツ指導、アンガーマネジメントを使ってすぐに使える実践的な指導など、さまざまな角度から女性の活躍推進を支援している。
怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメント。
アンガーマネジメントとは、どこでもだれでもいつでもできる心理テクニック。これを学ぶことで、怒る必要があるかないか線引きができるようになり、自分で生み出した感情に対して、自分で責任を持ち、どう怒るのかを自分で決めることができる。
これが身に付けば、
①感情のコントロールを行うと生産性がアップする
②伝え方、叱り方が上達して、相手に上手にリクエストできる
③エネルギーになるという怒りの性質でパワーに変えていく
④ワークライフシナジー効果により、なりたい自分になれる
など、プラスの効果は大きい。
「怒らないことではない。上手に怒ること」
と、棚多さん。
ストレスフルな状況下で社会全体が怒りやすくなっている中、活躍の場は益々増えそうだ。
働き続けるために。
生まれは広島県呉市。子どもの頃から見てきた、専業主婦の母と、父の関りから、
「父は、絶対的存在。稼がない人は何も言えない」
と痛感したという。だからずっと、
「自分の食い口は、自分で稼ぐ」
と心に決めていた。
「結婚したら夫の収入だけで生きていける、寿退職が当たり前、という時代だったが、信じていなかった」
と、棚多さん。就職の目的はあくまでも、経済的自立。
「働き続ける」
そのために公務員になったのだという。
核家族で3人の子育てと仕事を両立。
当時、女性が働き続けるための環境は、今とは比較にならないほど厳しかった。子どもを預けた保育園の園長にすら、こう言われた。
「仕事、辞めんさい。うまくいかんよ」
それは序章に過ぎず、職場では、
「女性はどうせ辞めるから」
と、任せてもらえる仕事も限られた。夫からも反対されていたという。
だから、後ろ指をさされぬよう、完璧を目指して頑張った。
「明日は無いかもしれない」
と、今日できることは全てやり、更にできることは手伝い、スピーディに仕事をこなす。家では21時半には子どもを寝かしつけ、複式簿記や労務管理を通信講座で学ぶなどし、スキルアップの時間にあてた。
管理職の面白さを、女性たちに伝えたい。
「女性が働くには、体力が要る」 その言葉からも、大変だった当時のことが伺えるが、 「すべての経験が、血となり肉となる」 と、ポジティブな棚多さん。 仕事を続けながら、20代で3人の子どもを産み、30代で子育てをし、40代で係長になり、50代で管理職を経験。管理職は14年間やったが、とっても面白かった。 「管理職になれば、景色がかわる」 管理職は意思決定できるのでこれまでできなかったことができる、情報量が増える、人脈も格段に広がる、 「とにかく面白い」 と、棚多さん。 これを女性たちに伝えたい。せっかくチャンスがあるのに ”やらない” 選択をする女性が少なくないのは本当にもったいない。仕事を面白くするコツを伝えたい。 そんな思いを込め、屋号は ”キャリアフォーカス” とした。 好きな言葉は、 「人間万事塞翁が馬」 いろいろあっても最後はうまくいく! いつも明るく前向きな棚多さんらしい。
インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴
掲載日:2019年6月18日