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【入居者紹介】Matsuo consulting office 代表 松尾 しんじさん ~Gorai’インタビュー~

入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.65

【食品衛生・品質管理コンサルタント】



2021年5月、島根・広島2拠点で事業をスタート。

生まれは東京。小学6年生までは父親の転勤に伴い、東京~名古屋~静岡~佐賀と移り住んだが、中学~大学は島根。

大学卒業後は、生協へ就職し30年間勤めた。

現場改善、品質管理、商品検査、品質保証、HACCP、ISO9001などを担当し、食品衛生・品質管理のスペシャリストであるとともに、総務、経理、障がい者雇用、内部統制、事業継続計画(BCP)など、ゼネラリストとしても活躍してきた。

2021年5月、コンサルタントとして独立。

広島には、出向で2011~14年と2019~21年の延べ5年間住んだこともあり、島根と広島を事業活動の場として選択。

松江のインキュベーション施設テクノアークしまねと、広島のSO@Rビジネスポートの2拠点にオフィスを置き、事業をスタートした。




食品衛生、品質管理30年の経験と実績。

生協では、食品などの品質管理業務に15年(仕様書・表示点検、商品検査、工場監査、クレーム調査・管理、プライベートブランド管理、法令改正対応など)、ISOは認証取得から運用までの一連の業務に17年携わった。

「いつでも辞められる力量がある人達がいる組織は強い」

との考えから、必要な知識や経験を積むべく、積極的に関わったという。配送業務から始まり、3年目にはバイヤーを経験。商品企画、バイイング、プライベートブランド(PBブランド)管理や工場監査など様々な業務をこなしながら商品開発にも関わった。5年目には品質管理の担当として、商品取り扱い基準や仕様書点検マニュアル、工場点検チェックリストなどを一から制作したり、商品検査の立ち上げなど、新たな取り組みにも携わってきた。

当時、ISO9001を取得する食品工場が増えてきた中で、

「自身がISOを理解していなければ、監査もできまい」

と、自腹でISO審査員の資格も取得するなど、その前向きな姿勢は半端ではなかった。

仕事の幅は広く、食品の安全政策や産直の担当もした。青森りんごの産直提携先で、雹(ひょう)が降って表面に傷がつき、ジュースにするしかないと思われたりんごを、生産者の思いとともに組合員に理由を説明し、少し安価に青果のまま販売した。

「自ら現地に出向き、実際に現状を見たからこその発想だった」

と、松尾さん。

商品回収などのトラブルや危機管理対応も数多く経験。

「食品の品質管理のことなら、松尾さんに」

と、声をかけられることは少なくなかったという。


小さな食品工場などを「お手伝いしたい」と独立。

食品工場の多くは、中小規模が多い。

食品表示のことや、工場で虫が発生した時の対処法など、多岐にわたり相談を受け、アドバイスしていたが、一職員という役割の中でできることには制限がある。

本当は、

「もっとお手伝いしたい」

人の役に立てたら・・と、いつも思っていた。

ISO審査員補や、HACCPリードインストラクター・上級コーディネーター等の資格を取得し、経験も豊富な松尾さんに、

「コンサルしてもらえないか」

と声をかける取引先もあった。

定年まではまだ5~6年あり、このまま続けるか、起業かで悩んだが、起業家スクールに参加し、創業を目指す仲間たちに出会い、心は決まったという。

コロナ禍での起業だったが、幸いなことにこの1年余、次々と仕事を頂けている。

「皆さまに支えていただいている」

と、松尾さん。スポットのアドバイスから、ISOやHACCPなど食品安全に関する認証に向けたコンサル、食品工場の立上げのお手伝いなど、仕事の幅は広い。


「仕組みづくりは、人づくり」を理念に。

この1年余、順調だった。いや、順調すぎた。

だからこそ今、自問する。

これが本当にやりたかったことなのか・・・

「私のしたいことは、何だったんだろう」

と。

経営理念は、”仕組みづくりは、人づくり”

「成果が上がる仕事には、必ず良い”仕組み”が存在している」

良い仕組みづくりができれば、それに取り組む人の能力も自ずと高まり、結果的に人づくりにつながる。プロセスを見える化し、仕組みを作っていけば、ムリ・ムダ・ムラを減らし、生産効率も品質管理も向上する。

また、仕組みは、

「一度作れば終わりではなく、継続できる環境づくりが必要」

そのために重要なのが人づくりであり、その教育をしていくことが必要である。然しながら、そこになかなか費用や時間を費やせない企業が大半だ。

中小規模の食品工場であれば、食品衛生・品質管理に関わるのは、通常、一社に一人程度。相談相手が無く孤立しがちであり、自身も同じような経験をしてきた。そのような状況を変えるために、

「今後は、食品衛生・品質管理に関わる各社の担当者をネットワークして交流を促し、情報交換や相互の課題解決に繋げたい」

と、松尾さん。

真摯に語るその言葉からは、既に自らの起業の意味を見つけているように見受けられた。




インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴

掲載日:2022年9月20日


~ 松尾さんへの取材後インタビュー ~





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