入居者紹介「Gorai’インタビュー」vol.47
上田経営コンサルティング事務所
所長 上田 真一さん
【銀行取引コンサルタント】
「銀行折衝のプロ」と呼ばれて。
広島総合銀行(現もみじ銀行)を退職後、銀行取引コンサルタントとして独立。銀行融資や資金調達のコンサルティングのほか、講演、執筆活動においても活動の幅を広げる上田さん。
講演は、商工会からの依頼が多く、遠くは函館や与論島など全国各地へ出向く。内容は、経営指導員や会員を対象に「銀行取引」や「お金」をテーマにしたものが中心。最近は「キャッシュレス決済」について話す機会が増えたという。
18年前。独立時に始めたメルマガの登録者は、なんと45,000人。銀行融資ノウハウの情報を発信し続けている。
顧問先は、製造業や運送業、飲食店などさまざま。年商3億円の企業や300万円~500万円の小規模事業者まで幅広く、中小経営者たちから「銀行折衝のプロ」との評価を得ている。
起業を決断した心の内。
広島に生まれ育ち、大学進学を機に、東京へ。
バブル期の東京。高層ビルの上階で黒服を着てのアルバイトは、実家からの仕送りも必要ないほど高給だった。テニスサークルに所属し、休みは軽井沢で過ごすことも。
しかし根は堅実な上田さん。
卒業後は、東京で上場企業に就職という選択もあったが、大企業で全国各地の営業所を転々とするよりも、地元の金融機関を選んで広島に戻った。
お客さんに可愛がってもらった20代。中山間地の営業所に勤務していた時は、毎日のように、いろんなお客さんの家でお昼ご飯をご馳走になっていたという。
30代で起業する折、頭をよぎったのは、
「日本のセイフティーネットは確か」
ということ。広島には川もある。食べることに困れば魚を釣って、きっと食べていける。
覚悟の表れとして起業の時に買った釣り竿は、今も自宅にあるという。
「それを見ては、初心を思い出す」
と、上田さん。
「百折不撓」諦めなければ、失敗ではない。
好きな言葉は、「百折不撓(ひゃくせつふとう)」。
たとえ百回失敗しても、諦めずにやり続ければ成功する。
そう信じて信念を曲げず、相手がたとえクライアントの社長であっても、
しつこく言い続けることもあるという。
自身が一代で築いた会社の、事業承継に悩んでいた社長には、
「社長がつくった会社なんだから、死ぬまでやったら?」
と意表を突いた言葉をかけたことも。
それは、
「(本音では)辞めたくない」
という社長の気持ちを汲んでのこと。
後で後悔するくらいなら、承継しなかったことを
「あの世で後悔してくれ」
と、上田さん。
社長を退いてもなお、口出しして疎まれるくらいなら、
いっそ「死ぬまで」という選択も、(場合によっては)創業社長なら許されるかも、と頷けた。
趣味は、読書。
堅いものから、時にはマンガも読む。
最近、印象的だった本は、
「ベリリュー -楽園のゲルニカ- 」
本屋さんで、タイトルから太平洋戦争中のペリリュー島の激戦が頭に浮かび、気になって手にした。
分野にこだわらず様々な本を読んで得たものを、今後もビジネスに活かしたい。
AI融資などが今後普及すれば、
「銀行取引コンサルタントは必要ない」
と、上田さん。
SO@Rビジネスポート入居からはや10年。
次なる10年に向け、既に構想は始まっている。
インタビュアー : (株)ソアラサービス 代表取締役社長 牛来 千鶴
掲載日:2019年11月29日
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